ねぇ、誰を見てるの?
「しゅーへー?窓なんかボーっと見ちゃってどしたの?」
「ああ・・・」
「ねぇ、しゅーへー?」
「ああ・・・」
「もう、知らないっ、彼女なんてやめてやる!!浮気男ー」
「ああ・・・」
なんなのよ。修兵。
彼女のあたしが話し掛けてるってのにさ。
最近、ずーっと教室の窓から外を見てため息をつく修兵。
なんだろう、外に・・何があるの?
あたし以外の女の子見てるの?ねぇ、修兵。
「どーなんだろうねーとーしろー・・・」
「オメー・・・いっつもいっつもここで愚痴たれてんじゃねぇよ!!」
あたしが図書室でボーっとしながら同じクラスの冬獅郎に話し掛ける。
冬獅郎は図書委員だからここで仕事してるんだけど、
あたしがいないと寂しいらしいし?ここにいてやってる(?)
それに最近は修兵のことを冬獅郎に相談してるから、
しょっちゅうここに来るようになった。
ちゃんと親身に聞いてくれるしーホントいい奴。
「・・・別れちゃおっかなー・・・」
「はぁ?!なんだソレ。」
すっとんきょうな声を出す冬獅郎をクスクスと笑いながら、
「えー・・・だってさぁ、もう修兵の心は別の人に行っちゃってるわけでしょー?」
「んなの決まってねぇだろ」
「修兵の心、ここにあらずって感じでさー・・・」
そう、修兵はもう・・あたしのことなんて・・・
「・・・?」
「もう・・・疲れちゃったよぉ・・・」
ぽて・・・とあたしは机に顔を押し付けた。
ああ、もう駄目だ。涙出てくる。
それがわかったのか、冬獅郎はあたしの頭をぽんぽんと撫でてくれた。
「そーゆーことされると、泣いちゃうんですけどぉ・・・っ」
「泣けばいいだろ。んな我慢するような仲か?あ?」
「とーしろぉーっ・・・」
ポロポロと流れてくる涙。
なんであたしは、修兵と付き合ってるんだろう。
「あたし、とーしろーが彼氏だったらいいのに・・・」
「!?」
「うん、それがいいよね・・・きっと幸せになれる。」
「いや・・・あのな・・・・思いつきで・・」
「あ、ごめん・・・とーしろーはあたしのこと、好きじゃないもんね!
あははっ・・・あたし、何自惚れてるんだか・・・ね?あは・・」
もう、何馬鹿なこと言ってるんだろう。
あたし最低だ。修兵がこっち向いてくれないからって
冬獅郎に近づいちゃってさ・・・。
「俺は、が真剣に好きだ」
「え・・・?どした・・の?」
「でも、修兵がいたから・・・お前が、修兵といて楽しそうだったから・・・
幸せそうだったから・・・そんな気持ち、しまいこんでた・・!!」
「と・・とーしろ・・・」
「なぁ、もう疲れたんなら俺といろよ・・・。
いや、もう修兵んとこは行かせねぇ」
冬獅郎は真剣だった。
あたしの手首をきつく握り締めて、真っ直ぐに翡翠色の瞳を向けてくる。
「俺んとこで笑ってろよ。」
「あ・・・ちょ・・・・ま・・」
「待てねぇ・・・もう、充分待った」
顔を近づけてきたけど、
あたしは逃げらんなくって、目をキュッと瞑った。
ちゅ・・
軽く唇を触れ合わせるだけ。
それだけで、凄いドキドキした。
顔が真っ赤になって、目が潤んでる。
あたし、冬獅郎とキスしちゃった・・・。
「返事も待てねぇ。返事なんていらねぇ。だけ、欲しい。」
「ぁ・・・ぅ・・・・っ」
人差し指で冬獅郎はあたしの涙を掬い取った。
ガラッ・・・―――――――
「「?!」」
「、さっきは悪ぃ・・・帰ろーぜ」
図書室にいきなり修兵が入ってきた。
あたし達はとっさに離れたけど・・・あきらかに不自然だったことに
修兵が気づかないはずもなかった。
「・・・冬獅郎・・・何・・・やってんだよ・・」
「え、えっと・・・ちょっとおしゃべりして・・たの」
「・・・帰るぞ」
「へ・・?」
「帰るぞ!!!!」
慌てるあたしに一喝した修兵。
なんか、すっごい怒ってる・・・。
「えっと・・・」
「ほら、バック持ってやるから」
「うわっ・・・えっとまた・・「手、出してんじゃねぇよ」
あたしの冬獅郎にむけた「さよなら」の言葉は
修兵の怒りによってかき消された。
「修兵、テメー・・・ふざけんじゃねぇぞ」
冬獅郎もかすかに怒りを見せていた。
*
はい、新連載開始☆
冬獅郎vs修兵の学園パロとなります!!
設定等は徐々に明らかになっていきますーw