「恋次ッ!お待たせーw」
「お、来たか。」
あたしは恋次と手を繋ぐ。
まだ、恋人になって数日しかたってないからどっか気恥ずかしかった。
そんな、初々しいとき・・・
「ぅぉぉぉぉぉぃ????!!!!」
凄い勢いで走ってくるのが・・・
「お、お兄ちゃん?!」
「先輩・・・?」
あたしのお兄ちゃんこと、檜佐木 修兵。
お兄ちゃんはあたし達の前で急停止し、恋次を指差し
「おい、俺の女に何手ぇ出してんだ?!」
と一喝。
「いや・・・女って言うか・・妹っスよね・・・」
「もーお兄ちゃん何?あたし、恋次と・・「恋次ですとォ?!なに名前で呼んじゃってるのちゃん!?」
大きなリアクションをとりながら、
あたしと恋次の間に割り込もうとするのが見え見えで・・・。
あたしはお兄ちゃんを突き飛ばす。
「あたしは、恋次とデートなの!邪魔しないでー!!!!」
「・・デート・・・」
「そう、デート。お兄ちゃんに構ってる暇は・・・」
あたしがそう言っている間にお兄ちゃんはあたしを引き寄せる。
そして、顎を持ち上げ慣れた感じにキスをしてきた。
「「?!」」
恋次もあたしも唖然。
唇が離れると、ニヤっと笑うお兄ちゃん。
「渡さないからな。」
「シ・・シスコン・・・・っ」
「お・・お兄ちゃん・・・///ひゃぁ?!」
あたしを抱き寄せて、瞬歩で恋次から遠ざかったあたしたち。
――――――――・・・
どっかの屋根の上で、
あたし達は兄妹喧嘩(?)を始めた。
「は・・離して!なにすんのよ!」
「お兄ちゃん、まじでちゃん大好きですからーw」
「ふざけないでよ!!恋次のとこもどる・・!!」
「だーめw」
お兄ちゃんはあたしの腕を掴む。
そして、あろうことか縛道をかけてきた。
「・・・っ・・・」
「これで動けないでしょ?絶対、行かせない。」
「お・・お兄ちゃん・・・っ」
涙目で睨むと「それ、欲情しちゃうよ?」とか言いながら、
あたしと同じ目線になるように座り込む。
「、まじでお兄ちゃんは好きなんですよ。」
目をしっかり見て話すお兄ちゃんは、いつもと違う雰囲気だった。
それに、「」ってちゃん付けをしないときは本気で話すときだけだ。
「おにい・・「修兵です。お兄ちゃんなんて・・もう呼ばなくていいです」
「な・・・なんで・・・」
「は、俺のこと男としてみないの?」
「え・・・?」
緊張が走るとはこのことだろうか?
「俺は、のこと女にしか見えねぇし、好きになれねぇよ。」
「・・・・」
「なあ、は?」
「あたし・・・は・・・」
お兄ちゃんは、すっごくかっこよくて、あたしの憧れだった。
でも、兄妹だから。そんなの無理だって・・・思ってた。
・・・あたし、恋次で逃げてた?
自分の気持ちに、嘘ついてた・・・。
「好き、おにい・・しゅ、修兵が好き・・なの・・・・」
本当の気持ちを吐き出したら、
心がすっきりした気がした。
修兵はあたしを抱き寄せて、額にキスをした。
「異例のカップル誕生ですね。」
「本当。」
―――――――――・・・
その後、恋次にはちゃんと謝った。
恋次もあたしみたいに逃げてたっていってたけど・・・・。
他に好きな子がいるみたいで、頑張って欲しいなって思う。
「修兵?書類、できたけど・・・」
「さっすが俺の妹であり彼女!完璧っス☆」
「・・・修兵・・・なんか・・恥ずかしい。」
そう言うと、指で「来て」の合図が出される。
近づくと、キスをされた。
「ま・・周り見てる・・・」
黄色い歓声が沸き起こる。
「見せつけてみた☆」
溺愛兄妹。
周りから囁かれてる。―――でも、いいの。好きだから。