「あ、。」



「何?雲雀さん?」





あたしは応接室で雲雀さんの大好きなコーヒーを入れる。


すっごいいい匂いがして、心の落ち着く感じ。





「ねぇ、」


「はい?」




手を差し出されたので入れたてのコーヒーの入ったカップを渡す。

すると明らかに不機嫌そうな顔をする雲雀さん。


あたし、なんかやらかしたか?




「もしかして、コーヒー・・・熱すぎました?」

「いいや。いつも通り素晴らしい適温だよ。」

「ならどうして機嫌悪いんですか」


「別に・・・」



雲雀さんはコーヒーを飲むことなく、応接室を後にした。

やっぱり、熱すぎたのかなぁ・・・。もしかして味が薄かったか?


雲雀さんのいなくなった応接室はやっぱり寂しい。



「理由、聞いてこよう・・・」





あたしも応接室を出る・・・
















「ちゃおっス、。」




と、応接室の前にはリボーンちゃんが突っ立っていた。




「わ、リボーンちゃん。どうしたの?」


「ああ、雲雀のためにパーティを開くから呼び出しに」

「雲雀さんはいない・・・って・・・なんのパーティ?」

「なんだ、・・・知らないのか?」


「なになに?!」





はぁ・・・・とため息をついたリボーンちゃん。




















―――――――――――・・・























バタン!!




後ろでドアの開く音がした。

ああ、この息遣い・・・だね。





「雲雀さんっ・・・!!」



「なに?」




ほら、やっぱり君だ。





「お・・・お誕生日・・・おめでとうございます」


「うん・・・明日だけどね」


「え。だって・・・」


「僕の誕生日は5月5日。今日は」



「5月4日です・・・」







「早とちり。」










僕は別に君に怒ってるわけじゃない。

僕は、僕自身にイラついてるわけで・・・。






「ごめんなさい、」



君が誕生日を祝ってくれないんじゃないかって考えてる僕にいらだってるだけ。

(実際、赤ん坊が言わなかったらそうなってたけど




「別に、気にしてない」



でも、僕から言うなんて・・・僕のプライドが許さないし、恥ずかしいだろ。



「雲雀さん・・・何か欲しいものないですか?」



僕は君に狂わされてばかりだ。


ぐるぐるぐるぐる、僕の心と頭をかき乱す。



「何も要らない・・・て、いうか祝うほどのもんじゃないし。」



かき乱されるけど、それがなんとなく幸せに思えたり



「で・・・でもっ・・・・」



だから、いらつくんだ。



「雲雀さんの誕生日だから!祝ってあげたいから!!

あたしの好きな人の生まれた日くらい、祝いたいです!!」



僕が壊れるから。




僕が築いてきたもの、プライドも地位も・・・全て君が壊す。







そして、それを僕は許してしまう。









「雲雀さん・・・っ」




ねぇ、どうして君は泣くのかな。



「誕生日は明日なんだけど」


「だから・・・今日・・準備します・・・」


「いいよ、準備とか。」


「だって・・・だ・・っ」



ああ、僕はこんなにも君が愛しいみたい。




抱きしめる力が強くなるけど、君を撫でる手は優しくなる。





「君がいれば、それでいい。」





君へのキスは、あったかく優しいものになる。






「・・・・え・・・・」




「一回しか言わないから、」





君へ伝える言葉は











「好き」












どこか心のむずがゆいものとなる。







「雲雀・・・さん・・・」


「恭弥って呼んで。」



「うん・・・恭弥・・・」



「誕生日よりも、君が欲しいよ」





「いや・・・それはぁ・・・っ」












拒否権は、君には無いんだよ









「ん・・・ぁ・・・っきょ・・やぁ・・・」



「ご馳走様。明日は、僕の家に着てね」



「・・・・はい///」


「たっぷり、祝ってね。」













(君に溺れてみたい・・・なんてね。)








でも君は僕に溺れさせてあげる。








*

雲雀誕生日企画夢!提出させていただきます☆

素敵な企画に参加出来てよかったです!!