なんで、男の子ってこう・・・怪我すんのかな?!




「もー恭弥・・・・平気?」


「別に。かすり傷だから」



「そんなわけないでしょ!!血、だらだらじゃない!!!」




またどっかのヤンキーとやったんだろうな・・・


あたしは愚痴愚痴いいながら恭弥の怪我の手当てをする。

白くて、女のあたしが憧れちゃうくらいの肌に傷が増えていくのはちょっとかなり悲しいし、


なによりあぶなっかしくてほっておけないよ!!




「はい。終わり。気をつけてよー?」


「・・・・」




バンドエードが気に入らないらしくべりべりと外す恭弥。


まあ薬は塗ったからいいけど・・・。




「じゃああたし、帰るね!仕事、頑張って」




あたしは返事をしない恭弥のいる部屋をでて、家に帰った。

















(男の子ってなんでああいう風に怪我が多いのかなー・・・)


しょうがないか。とか思いながら商店街の外れを歩く。



それがいけなかったんだろうか。





「おい、テメー・・・雲雀とよく一緒にいるだろ?」



「へ・・・」



目の前には三人組のヤクザ。


怪我をしているところを見ると、今日恭弥がやったやつらだろう。

(って・・・自分、冷静になってる場合じゃないよ!?)



「へぇ・・・それなりに可愛いじゃんか。」


「とりあえず、人質ってやつってことで。」




三人の間で適当な会話をし、


あたしの拘束に取り掛かってきた。



腕をつかまれる。




「ちょ・・やだ・・・・」




振りほどけない。




「きょ・・・やぁ・・・・」






口にハンカチをつめられて息が苦しい・・・


そんな時、



トンファーを持つ男が現れた。









「な・・・雲雀じゃねぇか」



「そうだけど・・・何してるの」


「テメー・・・余裕ぶっこいてんじゃねぇ!こいつがどうなってもいいのかよォ?!」




あたしの頬にナイフが突き出される。

皮が少しむけて血が垂れてきた。




「きょ・・きょぉ・・やぁ・・・・っ」


「離しなよ。」




「あ?それならおとなしくしてな。」


「やだ。」


「はあ?!なんだテメ・・・・「うるさい」





ドゴッ・・・と一人の男が倒される。


トンファーには返り血がついている。




「て・・テメー・・この女が・・・「離しなって」



「言ってるだろ。」





殺気があたしまで伝わってくる。


そしてそのまま、あたしは酸素をうまく取り入れられなくて気を失った。
























―――――――――・・・










「平気?」



起き上がると、そこは見慣れた天井。


ここは・・・




「きょ・・恭弥・・・」



目の前には恭弥がいた。



「はあ、なんで捕まってるの。」


「しょ・・・しょうがないじゃん・・って恭弥・・・怪我・・」




また怪我が増えている。


さっきやったとき・・・だよね。





「野良猫を守りながら戦ったからね。」



「の・・野良猫・・・って・・・てか守って・・・」





恭弥が・・・あたしを?




「・・・・ありがと」




小さくつぶやいて、恭弥を見る。


そのあと、キスをしてやった。




「!?」


「なに驚いてるのー?あははっ」




普段、冷たい表情をしているのに

このときばっかりは凄い可愛かったと思う。



ふてくされた表情をして、



恭弥はキスを返してきた。





「ん・・ちょ・・・」



深い、深いキス。


息をうまくできなくするようなキスにあたしの力は一気に抜ける。



「は・・ん・・・っ・・・」




唇が離れるといやらしく銀色の糸がお互いを少しの間繋いだ。







「きょ・・や・・っ」



「ずっと、気づいてなかったの?」



「へ・・・・?」






きょとん、とするあたしに







以外に怪我を治してもらう気ないから」






と言い残して、荷物を持って部屋を出た恭弥。




















君は僕の薬箱ってフレーズがよく似合う。









(曲を久々に聴いたら書いていました;)