「ししっ・・・」
「ちょ、や・・・やめてよッ!!!」
つんつんと愛用のナイフでの顔をつつきまわすベル。
悪意はないものの(多分)、は怒っている。
「もーベル何?!」
「ししっ、王子にそんな口聞いて言いわけ?」
「いや、それよりさあ、彼女にこんなことして言いわけ?!」
「よっくゆーねー。それがお好みでしょ?」
「はい、それただの変態だからッ!!」
すばやい突っ込みのの方を抱き寄せて、
ベルはナイフをくるくると空いている手で軽快に回す。
「ほんっと、オレ、好きー。姫にしといてあげる。」
「偉そうに・・・っ・・・・・」
「これ、姫の証ー」
ししっと笑うと、シュッ・・・と切れた音がした。
は呆然と自分の頬に手を当てる。
「・・・ちょ・・・」
の頬からは鮮やかなほど赤い血が垂れていた。
それも噴出しはしないが大量に。
「王子は姫の血が大好きだからさッ・・・」
ペロリと頬に舌を寄せて舐めとる。
ざらざらした変な感触での体はピクン・・・と反応する。
それを見てベルはニヤリと笑う。
「何?感じちゃってんの?」
「んなはず・・ないでしょ・・・っ」
ベルは絶えず血の流れつづける頬に下を這わせるだけでなく、
耳たぶの裏や、首筋などにまで下を這わせる。
舌が移動するたびにの体は反応する。その反応にベルは満足げな顔。
首筋に下を這わせている時に強く唇で吸ってやると、赤い華が咲いた。
「・・・息切れちゃってるけど?」
「う・・うるさいなっ///」
「姫も欲求不満?ししっ・・・」
ベルはをお姫様抱っこしてやり、ベッドに投げる。
(こんなところで優しさを見せないのかよ・・・!!)
口には出さないものの心の中でベルに文句をつける。
「さ、パーティーでも始める?
ししっ・・しっかり踊りなよ?腰振って、壊れちゃうまで」
ベルはの乾ききる前の血をもう一度舐めとった。
「しっかり・・・エスコートして・・よね」
昔々のお話です。
すっごく自分勝手な王子様の住むお部屋に迷い込んだお姫様がおりました。
ですがそのお姫様は不覚にも王子様と恋に落ちてしまいました・・・とさ。
そんな、王子様とお姫様のお話。
crown of blood
さあ、舞踏会の始まりです。